都会と繭

繭の中は居心地がいいです。ひとり、自分の感情を整理することができるし、他の情報は自分が望まない限りは入ってこない。繭の中はうるさくないし、自分のすきなものだけ飾ることができる。

都会は人が多いです。混んでいるときに歩くとぶつかるし、知らない人のほうが多いし、知らない人と話したり、ときには言い合いをすることもあります。都会で暮らすのは大変です。

 

都会には繭がたくさんできます。

 

おもしろいことがあって、繭の大きさはひとつではありません。何人かが入ることのできる繭もあります。似たような繭が集まったり、同じ繭の中で顔見知りになって過ごしていることがあります。

繭の中は狭いので、うまくいく者同士でないとつらいです。繭に穴を開けておく者もいます。

 

繭は繊細です。形を変え続けるし、すべてが正しく制度化された繭などありません。

 

小さい繭になったり、大きい繭になったり。
都会でひとり生きられない者や居場所のない者は、繭を持っています。

あるいは、繭に関心を持ちます。

 

繭を見つけたら、少し大事にしてあげたい。

避けるでもなく、無理やり入ったり騒いだり写真を撮ったりしないで、

そっと自分の繭から顔を出して、挨拶したいです。